• "Valentino"

    Hiroko Murata

    2017.11.30

    Country:Germany

    Format:12"/7"

    Year:1984

    Label:Ultraphone



    近年、劇的な和モノ・ブーム到来で佐藤博や山下達郎などに代表される80’s産フュージョン系ディスコ~シティ・ポップス畑は、国内外コレクターの容赦ない開拓でかなり痩せてしまいましたが、そんな時流へのアンチテーゼを添えて紹介する平行輸入系邦人シンガーHiroko Murataによるユーロ・ディスコ”Valentino”は、84年にドイツの大手レコード会社〈TELDEC〉傘下で運営されていたディスコ部門〈Ultraphone〉からリリースされました。

    83年から84年にかけて、ドイツのテレビ局ZDFが放送していたカルトな音楽番組”Flashlights”にてプレゼンターをつとめていた彼女は、ミュージックステーションで言うところのタモさんの横にいるカワイ子ちゃんのポジションで芸能キャリアを歩み始めます。そこから想像に難くない業界あるあるで、タモさん的な立ち位置にいた大御所TVプレゼンターのPaul Gambacciniが前出〈TELDEC〉からのデビューを全力サポート。さらに、その一年後の84年、”Flashlights”にゲスト出演したキング・クリムゾンのお抱えライターRichard Palmer-James、ジャーマン・プログレ界の辣腕プロデューサーMichael Hofmannの両人にも見初められた彼女は、この2人をプロデューサーに迎えて傑作の2nd、本作”Valentino”をリリースするに至ります。

    当時全盛を誇ったイタロ・ディスコのモンドな潮流をジャーマン・ロック視点で掠めた仄かなニューウェーブの香りとオリエンタルなお色気が立ち込めるシンセ・ディスコティーク。この過剰なまでのパッションをBPM100以下で搭載する圧巻のプロダクションは、YOUTUBEのライブ演出よろしく彼女に骨を抜かれたプロデューサーたちの夢の跡のようにも思えます。

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